「貢献」って、実際のところなかなか簡単じゃないと思っています。「お客様に喜んでもらう」という「貢献」をすることが、私自身の価値だとは良く言われるのですが・・・。
そもそも「貢献」って何なんでしょうね・・・と考えたとき、私は三人の営業さんのことを思い出します。
私が印刷会社に入った時の話。
地方大手の印刷会社に入社した新卒当初、私は資材購入の仕事を任されることになりました。しかし、いきなり直属の上司が新婚旅行でしばらく留守をする事態に直面しました。ほんの一週間少々のことですが、社会人歴一か月未満の私には重大な責任を負わされたように感じました。(実際何千万という金額になりました。)
印刷会社の資材が購入する商品は多岐に渡るのですが、特に金額のウエイトが多いのは紙でした。特に輪転機という大きな機械用の紙は高額でした。
その時、我が社が発注していた紙の卸売は3社ありました。A社とB社のシェアが大きく、C社は少々といったところでしょうか。
その3社の営業さんとの話です。
A社はとても親身になってくれる営業さんでした。
会社が近かったこともありお世話になってことも多かったです。夜中の印刷中に紙が足りなくなりそうになり倉庫を開けてくれて紙を出してくれたり、「何か困ったことがあればいつでも言ってくださいね」と声がけしていただいたり、会社(工場)の中を見せていただいて、その大きさに驚いたり。とても嬉しかったことを覚えています。
B社はちょっと兄貴分のような営業さんでした。
散髪したら「お、かわいくなりましたね」と言ってくれるような(私は男ですが)冗談めかした話が多い人でした。とはいえ、新卒当初叱られたことを覚えています。私がカッターシャツの下に、ワンポイント絵柄の入ったシャツを着ていた時のことです。「もう学生じゃないんだから、白のシャツの下は、無地の白シャツ」だと。ちょっと恥ずかしかったですが、思えばそんなことも教えられていない状況でした。
C社はちょっと年配の営業さんでした。
その一週間の中で一度しか話さなかったのですが、その際に「前任の方には月に一度は買っていただいていたので、中川さんにも買っていただかないと困ります。」と言われ、「そうなんですね、わかりました。」と何かを購入した記憶があります。その在庫が残って、難儀した覚えがあります。
自分はどうお客様に貢献していくか。
私が「貢献」ということを「お客様に喜んでもらう」ことだと考えるとき、いつもこの三人のことを思い出します。「貢献」に正解はないのでしょうが、私にとってとても大きな影響を与えた三人であることは間違いありません。私自身が営業になりお客様と接するようになったとき「自分がお客様とどう接したいか」ということを考えるきっかけになったことは、とても有難いことでした。
その三人以外にも協力業者さんたちは私に様々なことを教えていただき、本当に有難かったなと感謝をしています。今思えば、新入社員の私に膨大な仕事を与えてくれたその印刷会社にも、ですね。
この話を読んだ皆さんがどう感じるかは、何か心にひっかかるものがあればとても嬉しく思います。
コミュニケーター・心理カウンセラー
中川 康文